作者と天珠の出会い

チベットのイメージ

私が初めて天珠を見たのは、もう何十年も前のこと。多分中学生頃?

それはどこかの博物館だったでしょうか。

その時は何の意味もわからず、ただ表面に描かれた「紋様」に引き込まれるように見ていました。

すると、頭の中に「懐かしいけど、どこか悲しげで、それでいて心安らぐお経とも歌とも区別がつかない不思議な音」が流れてきました。

チベットイメージ

一瞬で時間も空間も飛び越えて「異国」に放り出されたような強烈な感覚だけど、とても大きな何かに包まれているような安心感。

ただ、紋様が描かれた天珠を見ていただけなのに・・・

この音が「チベットの僧侶が唱えるマントラである」と知ったのは成人した後。

紋様から感じたこの不思議な感覚をもう一度味わいたくて天珠を取り寄せました。

ただし、現在普通に入手できるのは、新しく作り出された「飾品天珠(新天珠)」と呼ばれるもので、天珠として過ごしてきた時間が短いものばかりです。

そこで、誕生してまだ年数の浅い天珠の紋様が持つ不思議な力を応援するために、他のパワーストーンと組み合わせることにしました。

天珠作品イメージ

天珠の知識

天珠(てんじゅ)とは、様々な石に円と線を組み合わせた独特な文様で形成され、チベットでは古くから宝物にしています。

その起源は紀元前500年に遡ります。

本来は高僧以外は身につけるのを許されなかったものですし、削った粉は「薬」として使われていたようです。

チベットイメージ

天珠は本来アゲート、カーネリアン、カルセドニーなどが本体に使われていました。

最近作られた物では磁器、動物の骨、プラスチックなどに薬剤を使って天珠の模様が描かれているものもあります。

昔作られた天珠は家宝として代々大切にされていたり、熱心なコレクターが秘蔵していることもあります。

また、流通ラインに乗ることは殆どない「老天珠(古天珠)」と呼ばれるものだと、家が1軒買えるくらいのお値段になると。

ただ、天珠とはいつ彫られたか、どのような素材に彫られているかより、働きとして「どの紋様が描かれているか?」を重視します。

天珠に書かれている紋様の中には、現代の科学でも再現できない技法があるそうで、ますます神秘的なものを感じます。

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