プリッツペンダント作成秘話
ラインの通しが方限定され、なぜか裏表が存在する不思議デザインについて。
今回発表のプリッツシリーズ3つのペンダントはうたた寝した時に夢で見たまんまの形。夢の中で「まぶしく光輝く大きな手」が何本も降りてきて、それらの手と手が繋ぎあった時にできた形です。
そしてPJのデザインとして再現するのに何度もリテイクを重ね、丸3日間かかってようやく完成しました。
このデザインでは1本のラインで「一筆書き」のようにストーンやパーツを繋いでいく、やり直しがきかない作業のヒヤヒヤ感があります。
そのかわりに、作成者としては完成時のやりきった感があります。
ラインの通し方の不思議
このデザインは基本的に、大きな輪っかの中に「V字型」が入った形です。
普通に考えて・・・
- まず周りの輪っかを作り
- 次に真ん中のV字を別に作って結合
このような段取りで作ろうと思います。
ところが!
この「別体方式」ではストーンがうまく働きません。不思議なことなのですが、私にとってはそうとしか思えないのです。
そこで何パターンかの方法やラインの通し方を考案し、やっと辿り着いたのが下の方式です。
このような手順で「一筆書き」として切れ目のないラインの通し方で全体を作るのが正解となりました。他に正解はありません。これに限定です。
裏表の不思議
この作品はおもて面に小さなモチーフがついています。これは「こちらがおもてです」という目印のため。
と言うのは、上の図の通し方を決定して作ったあと、それを裏返しにして身につけるとストーンの働きとして何かしっくりこないのです。
そこでおもて裏の目印にモチーフを付けました。
編み込みデザインの不思議
ストーン配置が最適でないと、完成したと思った途端にライン切れが起こります。
「なんで、最後のラインを結び終えた後でダメ出ししてくるんだよ!」となります。
嫌なら作業途中でラインを切るなり、合図してくれたらいいのにと思えます。
ところが作業途中で何度もエネルギーチェックをしている時には「おとなしく、いい子」なんですよ。
なので、今までに万単位の数のPJを作っていますが、へこむことだってしょっちゅうなのです。
編み込みPJは、納品までに時間的余裕を持たせて取り掛かるようにしています。
「プリッツ」というのはドイツの焼き菓子ですね。今回のペンダントは形がその焼き菓子に似ていることからつけました。
胸元で大活躍しやすいストーンが上手くハートの近くに来るように長さを調整してあります。